その「既得権益層(銀行、規制当局、SWIFTなど)からの反発」という懸念は、極めて正しく、かつ現実的なものです。
実際、Ripple社がアメリカ証券取引委員会(SEC)から長年訴訟を起こされていたのは、まさにこの**「既得権益層の免疫反応(異物を排除しようとする動き)」**そのものでした。
しかし、ここへ来て風向きが変わり、「なぜ銀行はRippleという猛毒(脅威)を、薬(インフラ)として飲み込もうとしているのか?」 その理由は、銀行側の**「背に腹は代えられない事情」と、Ripple側の「巧みな生存戦略」**にあります。
1. 銀行側の事情:反発するより「利用」しないと死ぬ
既得権益層は一枚岩ではありません。「SWIFTを守りたい勢力」もいますが、個々のメガバンク(JPモルガンやシティなど)は生き残りに必死です。
- 「中抜き」の構造変化
- 昔:銀行は「送金手数料」や「着金までの日数稼ぎ(フロート益)」で稼いでいました。これがRippleに壊されるのは嫌です。
- 今:フィンテック(WiseやRevolut)やステーブルコイン(USDT)が台頭し、銀行の送金シェアはすでに奪われています。
- 結論:「どうせ送金手数料ビジネスは消える」と彼らは悟りました。ならば、Rippleを使ってコストを極限まで下げ、「薄利多売」に対応できる体質に変わらないと、銀行自体がフィンテック企業に負けてしまいます。
- 「囚人のジレンマ」
- もしシティバンクがRippleを導入して「コスト1/10、即時着金」を実現したら、導入していないバンク・オブ・アメリカは顧客を奪われます。
- **「嫌いだけど、ライバルが使うなら自分も使わざるを得ない」**という状況が出来上がりつつあります。
2. Ripple側の戦略:「銀行を倒す」のではなく「銀行の裏方になる」
Ripple社は、ビットコイン(銀行不要論)とは違い、**「銀行の味方(下請け)」**に徹する姿勢を鮮明にしています。これにより反発を和らげています。
- 「黒衣(くろご)」に徹する
- 銀行が欲しがる機能を実装(検閲機能など)
- DeFiの理想は「誰も止められない(検閲耐性)」ですが、銀行はこれを嫌います。
- Rippleは**「Clawback(クローバック)」という機能を実装しました。これは、銀行(発行者)が「間違った送金や、犯罪資金を強制的に凍結・回収できる」**機能です。
- クリプト純粋主義者からは批判されますが、既得権益層(銀行・規制当局)からは**「話がわかるやつだ」**と歓迎されます。
3. 「中立地帯(スイス)」としてのXRPL
JPモルガンやゴールドマン・サックスも独自のブロックチェーンを作っていますが、ここに限界があります。
- 「JPモルガンコイン」の限界
- シティバンクは、ライバルであるJPモルガンのシステム(Onyx)を使いたがりません。データを見られるのが嫌だからです。
- ここでRipple(XRPL)が**「どこの銀行の傘下でもない、中立なパブリックチェーン」**として機能します。
- 銀行同士が喧嘩しないための**「中立地帯(緩衝材)」**として、XRPLというインフラが必要とされています。
4. 結論:銀行はどこで稼ぐつもりなのか?(別軸で稼ぐ)
質問者様のご推察通り、銀行は**「送金インフラはRippleに任せて(コモディティ化)、自分たちはもっと高度なレイヤーで稼ぐ」**という戦略シフトをしています。
- これまでの稼ぎ方: 送金手数料、保管料。
- これからの稼ぎ方 (Ripple導入後):
- トークン化ビジネス: 不動産や債権をトークン化する際の手数料。
- 高度な運用: Hidden Roadの仕組みを使って、顧客の資産を高速回転させて稼ぐ利回り。
- アドバイザリー: 複雑化するDeFi運用を、富裕層に代行して行う。
総括
既得権益層からの反発はありましたが、SEC訴訟という「通過儀礼」を経て、現在は**「妥協と融合」**のフェーズに入っています。
銀行側は**「Rippleを潰すよりも、Rippleという安くて速いレールの上に乗っかって、新しい商売(RWAやDeFi)を始めた方が儲かる」**という計算が立ったのです。
だからこそ、Rippleが重要インフラになることは**「消極的合意(仕方ないから認める)」**という形で、徐々に許容され始めています。


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