**「Project mBridge(mブリッジ)」や「Project Mariana(マリアナ)」といったプロジェクトが進行中であり、これらはRipple(XRP)にとって「最強のライバル」であると同時に、Rippleが本来狙っていた市場を「国(中央銀行)が直接取りに来た」**動きだと言えます。
特にProject mBridgeは、すでに実証実験(PoC)を終えて**実用化段階(MVP)**に入っており、Rippleにとって無視できない脅威となっています。
状況を整理します。
1. 進行中の「ホールセールCBDC FX」プロジェクト
現在、最もRippleの脅威となっているのは以下の2つです。
① Project mBridge(mブリッジ):現在の筆頭ライバル
- 参加国: 中国、香港、タイ、UAE、サウジアラビア(BISも関与していましたが、政治色から距離を置きつつあります)
- 仕組み:
- 各国の銀行が、共通のブロックチェーン(mBridge Ledger)に直接接続します。
- 例えば、タイの銀行が「中国デジタル人民元」を直接受け取ったり、送ったりできます。
- FX(為替)の仕組み:
- PvP決済(Payment vs Payment): 「タイバーツCBDC」と「UAEディルハムCBDC」を、ブロックチェーン上で同時に交換します。
- これまでのように「米ドルを中継」する必要がなく、XRPのようなブリッジ資産も使いません。
- 直接ペアで交換するため、手数料が極限まで安くなります。
② Project Mariana(マリアナ):DeFiの技術を輸入
- 参加国: フランス、スイス、シンガポール(BIS主導)
- 仕組み:
- **AMM(自動マーケットメイカー)**という、UniswapなどのDeFi(分散型金融)で使われている技術をCBDCに導入する実験です。
- 「ユーロCBDC」「スイスフランCBDC」「シンガポールドルCBDC」の巨大なプールを作り、AI(アルゴリズム)が自動で為替レートを算出して交換させます。
- Rippleへの脅威:
2. Rippleのライバルになり得るか?
結論から言うと、**「真正面からのライバルであり、一部の市場(特にアジア・中東)ではRippleのシェアを奪う可能性が高い」**です。
Ripple(ODL)とこれらCBDCプロジェクトの決定的な違いは、**「ブリッジ通貨(XRP)を使うか、使わないか」**です。
| 特徴 | Ripple (ODL) | mBridge (ホールセールCBDC) |
| 仲介役 | XRP (ブリッジ資産) | なし (直接交換) |
| 流動性 | 民間のマーケットメイカーが提供 | 参加銀行・中央銀行が提供 |
| コスト | XRPのスプレッド + 送金手数料 | 極小 (ブロックチェーン手数料のみ) |
| 弱点 | XRPの価格変動リスク、流動性が薄いペアに弱い | 参加国同士でしか使えない (閉じた経済圏) |
なぜ mBridge が脅威なのか?
あなたの直感にあった**「現物同士の直接交換のほうが有利」**という点を、国家レベルで実現してしまうからです。
もし「タイバーツ ⇔ 人民元」の直接交換市場がmBridge上で十分に育てば、わざわざボラティリティのあるXRPを間に挟む理由は消滅します。
3. それでもRippleが「死なない」理由(勝ち筋)
では、mBridgeがあればRippleはオワコンなのか? というと、そう単純ではありません。Rippleにはまだ**2つの逃げ道(勝ち筋)**があります。
A. 「mBridgeに入れない国」のハブになる
mBridgeは中国主導の色が強く、アメリカや欧州の銀行がこれにフル参加するのは政治的に困難です。
世界は、以下の2つのブロックに分断される可能性があります。
- mBridge経済圏: 中国、中東、東南アジア(BRICS寄り)
- SWIFT/USDC経済圏: 欧米、日本
Rippleはこの**「2つの巨大な経済圏をつなぐ中立なブリッジ」**としての役割を狙えます。mBridgeの中には入れなくても、mBridgeの外と中をつなぐ場面では「中立なXRP」が必要になる可能性があります。
B. 「ロングテール通貨」の救済
mBridgeは主要国同士(メジャー通貨)の交換には最強ですが、**「ナイジェリア・ナイラ ⇔ ペルー・ソル」**のようなマイナーな通貨ペアまでカバーするのは、流動性の観点から困難です(それぞれの国の中銀が直接つながらないといけないため)。
こういった「流動性の低いマイナー通貨」同士の交換には、依然としてXRPのような「万能ブリッジ」を挟む方が効率的な場合があります。

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